得意分野アピール 障害者対象に初の就職面接会
雇用面で厳しい環境に置かれている県内の養護学校などの卒業予定者を支援する、初めての就職面接会が二十二日、鳥取市末広温泉町の白兎会館で開かれた。障害者の職場確保、定着に向けた取り組みで、五校から実習希望の二年生なども含め二十三人が参加。目当ての企業の担当者と面談し、自分の得意分野などをアピールした。
県内では、新規高卒者の就職内定率が87・0%(一月末現在)と前年同期を上回るなど好調な一方で、障害のある生徒に限ると23・3%(同)にとどまっている。
養護学校などでは、生徒の就職先を知人やつてに頼ることも多く「限界がある」(学校関係者)のが実情。企業側の理解不足や技能などのミスマッチも重なって厳しい就職環境が続いており、今回、ハローワーク鳥取と鳥取市が学校側の支援要請を受けて企画した。
同ハローワークが生徒の職種希望を聞いた上で、管内(旧鳥取市など)の百五十社に参加を呼び掛けたところ、理美容業や飲食業、製造業など過去に採用実績のない業者も含めて三十二社が応えた。
参加した生徒たちは、緊張の面持ちで企業担当者と面談。白兎養護学校三年の前田高宏君(18)は「自分のできる仕事を探したい。清掃関係で良い感触を持った。元気さをアピールし、長く続けられるよう頑張りたい」と面接に臨んでいた。
生徒の話を熱心に聞いていた旅館業者は「接客に必要な熱意と明るさを持った生徒もいた。障害者雇用への支援制度があることも分かったので、検討したい」と前向きな姿勢を示していた。
今後は、生徒側と企業側の希望が合えば、職場体験学習などを経て雇用契約を交わし、職場定着を目指すことになる。
このようなセミナーが一部地域だけでなく、全国的に開催されることを願います。