新卒就職率95%超 高校・大学 今春、景気回復裏付け 厚労省調査
今春の高校、大学新卒者の就職率がともに95%を超え好調だったことが12日、厚生労働省などの調査で分かった。地域間格差は大きいものの全国的に改善傾向。景気回復感の高まりに加え、団塊の世代が大量退職する「2007年問題」を念頭に、企業の新卒者採用意欲が高まっていることを裏付けている。
大卒(4月1日現在)は、前年同期比1.8ポイント改善の95.3%となり6年連続の改善。調査を始めた1996年度以降で最高となった。高卒者(3月末現在)は同1.7ポイント改善の95.8%で、バブル経済崩壊後の最低だった2001年度(89.7%)以来、4年連続の改善。97年度並みの水準に回復している。大卒男子は同2.2ポイント改善の95.5%、同女子は同1.2ポイント改善の95.0%。
大卒の全国6地域別では、九州は同1.2ポイント改善の92.9%となったものの、全国5位。最高は製造業などが好調な中部の97.8%。高卒の都道府県別では、沖縄など4道県を除いていずれも90%超。九州・山口の8県では、佐賀を除く7県が前年を上回った。
厚労省若年者雇用対策室は「高卒の就職率は、中小企業、製造業の求人ウエートが高いため地域間格差が目立つが、全国的な改善基調に変わりはない」と分析している。
短大(女子)は全国で同1.8ポイント改善の90.8%、高専(男子)は同1.8ポイント悪化の96.7%、専修学校(専門課程)は同0.7ポイント悪化の91.8%、中学は同5.6ポイント改善の72.3%だった。
文部科学省が同日発表した高卒就職内定率は、同1.6ポイント改善の92.8%だった。大卒者調査は、厚労省と文科省の共同調査だが、高卒は両省で調査方法が異なり、厚労省統計には公務員などは含まれていない。
調査方法の違いはあれ、就職率が上昇することは経済が上向いているということでしょう。いい兆候ですね。